ぶどう園日記

母校訪問

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東鷹高校に行ったことないから、案内してくれよ。

野村くんはこの高校の卒業生だ。

「え?ぶどうのPRですか。誰かお知り合いがいるんですか?」

ああ、いるいる。今日はね、あの学校は野村くんの母校だし、行ったことないから行ってみたいなと思ってさ。

ぶどう直売所から二人でぶどうマンになって学校に向かった。

玄関横の駐車場に車を停めた時点で事務所からの視線が熱い♪

「通報されませんかね💦」

大丈夫大丈夫♪

窓口の来校者記帳票に名前を書いていると、事務室から校長が出てきた。

「手嶋くん、何これ♪みんなびっくりしたよ‼️ドッキリかなんかでしょうかって🍇」

ははは♪俺が普通に来ると思うか❓

4月からこちらの校長は、高校時代の同級生が就任していた。

そう。

校長就任のお祝いに今日表敬訪問するからね、と連絡を入れていた。

野村くんにはちょっとサプライズ。

この訪問の本当の意図は、こちらの卒業生の野村くんがどうしてウチに就職することになったのか、それを新校長に伝えること。

そんなわけで野村くんと一緒にお邪魔したのだった。

校長室に通され、これまでの経緯などを話した。

そうそう、野村くんお世話になった先生にぶどうのお土産持ってきたんやろ❓

校長に案内され、職員室へと席を立った。

「二人で人生を変えて、新しい道を歩み出したのね」

と校長も二人の出会いとこれからを祝福してくれた。

積もる話があったんだろう、30分しても職員室から戻ってこない野村くんを校長と一緒に迎えに行くと、その当時進路指導だった先生と話し込んでいた。

「農大を受験する時に相談を受けました。それから在籍中も彼が私を訪ねてきてくれました。最初は驚きましたよ。アパレル志望だったのにいきなり農業って。

その都度出てくる手嶋さんとは如何なる人物なのか、とても心配でした。今の今まで私には分からなかったんですが今日やっとお会いできましたね♪」

先生の前に立つ手嶋という人物。

ぶどうの着ぐるみをつけたぶどうマン🍇

ははは♪

2年前からの不安は一層膨らみましたな☝️

私と野村、二人の人生がこれからどうなっていくのかは誰にも分からない。

ただ、今この時点で同じ方向を向いて前に進もうとしていることに一点の曇りもない。

見守ってやってくださいね、先生。

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