「おはようございます!今日は手嶋さん、普及指導センターにいらっしゃいますか??藁灰こんにゃくと、菊芋の素焼きチップスの、試食をお願いしたいと思ったのですが?」
きたー‼️
ラインの主は、築上町の女性。
長いこと藁灰を使った手作りこんにゃくに取り組んでいる彼女。
夏に篠栗町にあるこんにゃくの会社「八木山」の会長を訪ね、そちらで食べさせてもらった刺身こんにゃくの美味さに打ちのめされた。
あれから4ヶ月あまり。
彼女はひたすらこんにゃくを試作し続けた。
一度、12月に様子を知りたくて電話してみたが、壁にぶつかっているようだった。
「納得できたら連絡します」
がんばれ。
完成したか。
楽しみだ。
彼女は事務所に着くと、手際良く皿に刺身醤油を垂らし、箸を用意すると、完成したこんにゃくが入った皿をテーブルに置いた。
おお‼️
まずは何もつけずに一切れ。
程よい弾力と歯触り。
相当精錬されているな。
そう感じた。
刺身醤油をつけてもう一切れ。
醤油のなじみも良い。
こんにゃく特有の臭みやゴワゴワした感じもない。
二人のお子さんを持つ彼女は、一見、お上品な若いお母さん。
その印象、こんにゃく作りとはかなりのギャップだ。
中学校の頃、コスメ系のブログにハマり、読みまくった。
そのなかで、こんにゃくの機能性を知る。
セラミド。
肌の保湿性を高める機能がある成分だ。
こんにゃくにはこのセラミドが含まれている。
正確には、蒟蒻芋で作ったこんにゃくにはこのセラミドが含まれ、蒟蒻芋粉から作られたものには含まれない。
だから、蒟蒻芋から作るこんにゃくをこの手で作ろうと取り組みを始めたのだという。
なーるー。
それならば、すとーんと腑に落ちる。
そして、自分で作ろうとチャレンジする姿勢に激しく共感した。
自身で芋を栽培し、失敗し、挫折する。
でも立ち上がり、またもがき、こんにゃくを作る。
篠栗町で、ぶちのめされ、それでも這い上がり、やっとたどり着いたこの一皿。
これはもはや、こんにゃくとは別物かもしれない。
この感動。今から販売が楽しみだ。
彼女のような貪欲なまでの探究心。私もうかうかしてられなくなった。
明日は土曜日。ぶどうの剪定だ。